先日ディーラーの方からご連絡をいただき、新型「ランドローバー・ディフェンダー」の内覧会に行ってきました。
ランドローバーのディフェンダーといえば、ジープのラングラーと並び道なき道を行く「ガチ系」クロカン四駆の雄として有名です。
一方私の車遍歴といえば、SUVカテゴリーではトゥアレグに1度乗ったくらいで、後はM3や現在乗っているAMG C43のような「速い」クーペやステーションワゴンが大好物。
実際今回対応していただいたディーラーマンの方も、「杉浦さん、なんで今回はディフェンダーを検討なんですか?」と不思議がっていました。
しかしただ単に新型車を見たいだけでディーラーを訪れたわけではありません。
私なりに確固たる理由があって足を運んだのです。
それは、
- 自然災害時におけるクルマ選び
- アンチ都市型高級SUV
- ピュア・スポーツモデルとの2台体制を目論む
の3つ。
それでは一つずつお話ししてまいりましょう。
目次
首都圏直下型地震・南海トラフ地震への備え
2020年7月現在、東京では新型コロナウイルスが猛威をふるい、連日新規感染者が200人を超えるという事態になっています。
しかし個人的にコロナウイルスよりも命に直結する危機は、首都圏直下型地震や南海トラフ地震といった「大震災」であると考えています。
そんな大震災が発生した場合、自分や家族の命を少しでも安全に導くことができるクルマとは?
そんな観点からクルマを選ぶことも必要かな?と考えたわけです。
震災に強いクルマとは?
もちろん大震災時にクルマで避難することは適切ではないかも知れません。
ただ倒壊物から身を守るシェルターの役割を考えたり、万が一クルマで避難する場合の走破能力を確かめておくことは重要だと思います。
地震の際に身に迫る危険としては、
- 倒壊
- 火災
- 津波・地震洪水
などが考えられます。
このうち「火災」については消防車でもない限り、クルマではどうしようもないと思いますが、「倒壊」と「津波・地震洪水」についてはある程度クルマで対応することが可能です。
倒壊物から身を守るシェルターとして
クロカン四駆と呼ばれるクルマは、岩山や荒れ地といった道なき道を走行することを前提として作られています。
そのような場所は滑らかな高速道路などとは異なり、前後左右のタイヤが別々の高さに置かれることも珍しくないため、ボディに強烈な「ねじれ」が生じることがあります。
そのため本格的なクロカン四駆では強靱なモノコックボディなどを採用して、そのねじれに対応するのですが、この強靱なモノコックボディが上から建物などが倒れてきた場合の「シェルター」の役割を果たしてくれるのです。
地割れなどで生じた段差を乗り越える
津波だけではなく「地震洪水」も想定
10mの高さの津波は時速40km/hで迫ってくるため、クルマで避難することは現実的ではありません。
しかし津波が引いた後にもクルマが動けば、その後の避難活動が非常に楽になります。
また地震で堤防が決壊し、洪水が起こる「地震洪水」の時も、普通のクルマよりも深いところまで走行できる車であれば、命が助かる可能性は高まります。
集中豪雨によって都会の道路も「川」になる!
都市が水浸しになるのは津波や地震洪水の時だけではありません。
近年頻発している集中豪雨によって河川や下水道から水があふれ出し、道路が「川」になってしまうことも十分に考えられます。
そこでクルマ選びの際に考慮したいのが「最大渡河水深」です。
最大渡河水深ベスト3
最大渡河水深とは「どれくらいの水深まで問題なく走行できるか」という深さを表したもので、普通のセダンなどの場合はおおよそ30cm程度といわれています。
クルマのエンジンは空気を吸ってガソリンと混ぜ、爆発させてパワーを得ます。
そのため水中で空気が吸い込めなくなるとエンジンが止まってしまい、走行不能になってしまうというわけです。
ここでは普通のクルマを大きく凌ぐ最大渡河水深を持つ車をご紹介します。
3位 トヨタ ランドクルーザー(70cm)
3位は「陸の王者」の異名を取る本格SUVの代表格、トヨタ ランドクルーザーです。
世界で最も人気のあるSUVといわれ、砂漠を走るアラブの王族もみんな1台は所有しているといわれるほど。
エンジンを含めた駆動部の信頼性が高く、その圧倒的な耐久性はさすがのトヨタクオリティ。
最大渡河水深は70cmで、ちょっとした川なら渡れてしまうほどの性能です。
2位 ジープ ラングラー(76.2cm)
軍用車であるジープを祖とする「本物の」クロカン四駆、ラングラー。
そもそも悪路を走行することを前提として作られているだけあって、最大渡河水深は76.2cm。
さすがです。
1位 ランドローバー ディフェンダー(90cm)
ランドローバーの歴史は英国陸軍特殊部隊で軍用車としても使用された「ランドローバー・シリーズ1」に始まります。
ランドローバーにはその後「砂漠のロールスロイス」と呼ばれる高級SUV「レンジローバー」が生まれ、主力車種となりますが、シリーズ1の直系の子孫といえるのはこの「ディフェンダー」です。
ジープを目標として開発されたシリーズ1がご先祖様だけあって、その走破性能は圧倒的!
最大渡河水深はランクルやラングラーをはるかに凌ぐ「90cm」!を誇ります。
シュノーケルで更なる水深に耐える
シュノーケルを使って空気の取り入れ口を上方に移動させ、更に渡河性能を上げてしまうという荒技があります。
写真で囲んだ部分がその吸気口。
この高さまでなら「空気が吸える」のでエンジンは止まらないというわけです。
まあ実際には電装系の問題もあるし、そもそも潜水艦ではないので窓から水が入ってきますがw
ちなみにマフラーの方はどうなっているかというと、エンジンを掛けている間は排気の圧力で水は入ってこないそうです。
アンチ都市型高級SUV
上はベントレーのベンテイガから、下は三菱ekクロスまで、自動車業界はSUV全盛です。
しかしこう猫も杓子もSUVとなると、いささか食傷気味なのが正直なところ。
そこでガチのクロカン四駆を見てみたい、感じてみたいと思ったわけです。
XC90・60に感じた「割高感」
実は今回の内覧会の少し前、大学時代の友人がボルボを見に行きたいといっていたので一緒にディーラーに行ってみました。
そこでXC90・60、V60クロスカントリーなどを見て試乗もしたのですが、どうもピンとこないんですね。
XC60なんてCOTY(日本カーオブザイヤー)まで受賞していて、スタイリング、内装のデザインともに「センス」を感じるんですが、これで乗り出し「700万円!」と思うと、ちょっと割高に感じてしまう。
確かにインテリアなどは良くいわれる「北欧家具」のようにしつらえられていてセンスは感じるんですが、それだけにプラスチックを使っている部分が残念というか、ドラえもんに出てくる「出来杉くんが授業中におならをしてしまった感」があるのです。
優等生を気取るなら「僕はおならなんてしたことありません」と言い切って欲しい。
プラスチックむき出しのインテリアが逆に新鮮
一方ディフェンダーは プラスチックむき出しという潔さ。
「おなら?しますよ~、人間だもの」
と開き直っている。
そして荷物などで汚れそうな所はラバーが敷き詰めてあって、お手入れラクチン。
ツールとして使い倒すことができて、しかも飽きがこない。
少なくとも10年はじっくりと付き合っていけそうな感じです。
この内容で税込¥4,990.000~はバーゲンプライス
そしてこの押し出しの強さ。
塊感があって、先代ディフェンダーを上手に現代的にリファインしている。
これで税込¥4,990.000~(※3ドアの90)というのはバーゲンプライスといってイイでしょう。
アルピーヌA110との2台体制という「男のロマン」
とはいえ、ディフェンダーは2トンを優に超える超重量級のボディで、現在の所パワートレインは2Lターボのみ。
300ps/400NmというアウディS3やゴルフR並のパワーを発生しますが、いかんせんボディサイズが違いすぎる!
そこで私が目論むのは、ここ10年で乗った(試乗車も含める)スポーツカーの中でピカイチの出来である「アルピーヌA110(できればA110S)」との2台体制を実現したい!!!
家族の安全な移動と自らの走りに対する欲求を両立させる「男のロマン」。
宝くじでも当てて実現したいものです。
箱根八里も大井川も「越せる」安心感
私は現在東京在住ですが、実家は愛知県です。
それゆえ首都圏直下型地震だけではなく、南海トラフ地震も非常に気がかりで、いざという時に年老いた母親の元にどうやって駆けつけるかは大きな悩み。
実際には大震災時には幹線道路は封鎖され、車での往来は難しいと思いますが、それでも箱根八里や大井川を「越せる」能力は保持しておきたい。
そんなわけでディフェンダーの内覧会に行ってきて、脳内シミュレーションを繰り返しているというわけです。
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